工場や製鉄所などを建設するときには、建物建築だけでなくプラント建設というものも行われます。
プラント建設というのは、内側の設備を建設することです。
例えば、一般住宅ではキッチンにシンク、トイレには便器や便座、浴室には浴槽などを設置しますが、プラント建設は工場の設備を設置します。
ここでは、プラント建設について、またプラント建設を施工管理するときの注意点を紹介します。
目次
プラント建設とは、建築した工場や製鉄所に必要な設備を設置する建設事業です。
産業分類では、設備工事業や機械器具設置工事に該当する事業内容で、1つの会社が建築から施工管理まで行うことはありません。
さまざまな業種が専門的な施工を行い、1つのプラント(工場など)を完成させます。
プラント建設の事業内容は多岐にわたりますが、ここでは代表的な5つの事業を紹介します。
プラント建設では、ボイラーやファン、ポンプ、モーターなどの機械・設備の据え付けを行います。
設置するものの選定は依頼主が行いますが、重量物や機械の搬入や組み立て、撤去、解体などは作業員が行うので、専門的な知識や技術が求められます。
プラント配管工事は、工場や製鉄所で使用する粉体や粘性体、さまざまな液体、気体などを輸送する配管を組み立てたり設置したりする事業です。
工事には、プラント配管では「ガス配管工事」「衛生配管工事」「防災設備配管工事」「空調配管工事」などの種類があります。
それぞれの工事で専門性が異なりますが、会社によっては全てのプラント配管を一括で請け負うことも可能です。
製缶工事というのは、鉄板を加工する事業です。
金属に穴を開けたり、折り曲げたり、切断する加工を行うことで、プラントで使うデッキやダクトを製造していきます。
製缶では、気体や液体を溜めるタンクや水槽を製造するので、中の流体が漏れないようにするため高い技術が必要となります。
製缶工事は基本的に専門会社が行いますが、配管工事の会社でもタンクの製造や設置などの技術を持っている会社もあります。
工場や製鉄所などの機械や設備は、高所での作業が必要になることもあるため、足場の設置を行うのもプラント建設の事業の1つです。
プラント内に設置されるのは点検歩廊という足場で、高所には必ず設置をします。
点検歩廊は、プラント建設のときだけでなく、点検やメンテナンスなど施工管理を行うときにも使います。
架台の設計や施工は、工場などで使う機械や設備を設置するための架構を設計したり、施工したりする事業です。
架構は、柱と梁を組んで機械を支える構造で、主に空調機や分電盤、サーバーや制御盤など重量物を設置します。
建設の現場では、当然ですが事故に気を付けなければいけません。
しかし、特殊で大型の機械や設備を設置するプラント建設現場には、独自の注意ポイントがあるのでチェックしておきましょう。
化学プラントの建設では、アルカリや酸などの有害物質に注意する必要があります。
有害物質というのは、直接触れなくても配管からの漏れにより化学物質で負傷をすることがあるのです。
可燃物を扱う設備も多いため、空気中へのガス漏れによる火事の危険性も高く、ガスや溶接の取扱では何重もの立ち会いや許可が必要となります。
工場の規模によっては設備や機械同士が近いこともあり、設備の工事を行っているときにすでに設置してある設備を破損させたり、誤切断したりすることがあります。
万が一、すでに作動している機械を誤切断してしまうと、中から化学物質が漏れ出てきてケガをすることもあるので要注意です。
機械や設備の設置が終わると、次は試運転のために電源を入れます。
この際、最初に機械のスイッチが入っていると、電源を入れただけで機械が勝手に動き出してしまいます。
もし、機械の周りに作業員がいた場合、重大な事故を起こしてしまうので、試運転の前には必ずスイッチオフになっていることを確認しなければなりません。
配管を設置する場合、配管内を流すものによっては溶接箇所の浸透探傷検査やレントゲン検査、焼純などの工程が入ってきます。
この工程を飛ばしてしまうと、設置後に再度溶接部を切断して検査を受けることになり、完成までに時間がかかってしまうので注意しましょう。
プラント建設では、配管を始め、あらゆる工事の工程が一般住宅などとは異なるので、事前に確認が必要です。
プラント建設を安全かつ正確に進めるためには、各事業を専門的な技術を持っている会社に任せることが重要です。
大手が窓口となって各事業会社に仕事を発注するというスタイルでは、技術やスキル、経験をどれぐらい持っているのかが分かりません。
プラント建設は、少しでも歯車が狂うと納期に間に合わないだけでなく、施工ミスなどで重篤な事故を引き起こすリスクもあるので、信頼できる実績を持った会社に任せましょう。
当社はプラント配管&タンクの全てを担っています。
プラント建設に関するご要望は、ぜひご相談ください。