プラント工事は、プラント設備を建設する工事のことです。
建設であれば「工場建設」などと同じでは、と思う方もいるかもしれませんが、プラント工事は、さまざまな機器や部品を設置するので「建築」とは意味合いが異なります。
ここでは、プラント工事について、またどういった工事が付帯するのか、プラント工事で必要な資格などを紹介します。
目次
プラント工事は、あらゆる工場に設置される工場設備や生産設備を設置する工事になります。
プラント工事の「プラント」は「製造・生産設備」のことを指すので、それを工事するということは、工場で必要な製造設備関連の機器を設置するということになるのです。
例えば、食品プラントでは製粉機械や製菓・製パン機械、製麺機、肉類加工機械などを設置します。
工場を建てる「建築」の部分では、これらの機械を組み合わせたり、据え付けをしたりすることはありません。
このソフトの部分を扱うのがプラント工事です。
ただし、機械の組み合わせや設置にはいろいろな業種が関わるため、プラント工事と一口にいっても業種ごとに請け負う工事が異なります。
ここでは、プラント工事の特徴について紹介します。
プラント工事というのは、一般的に規模が大きく、また工事に関わる業者の数も多いので、一般的な土木現場や建設現場よりも作業員の数が多いというのが特徴です。
また、それぞれの作業員ごとに、電気や機械、土木、製造する素材や製品に関することなど、専門知識を持っているのも特徴といえます。
プラント工事の元請けや建設会社やプラントメーカーになります。
そのため、本来であれば建設や土木などと同じ「総合工事業」に分類されるイメージがあるかもしれません。
しかし、プラント工事は「設備工事業」もしくは「機械器具設備工事」に分類されるというのが特徴です。
プラント工事の1つである管工事や電気工事は、設備工事業に分類され、機械を組み立てたり取り付けたりする工事は、機械器具設置工事に分類されます。
プラント工事は機械を設置する工事ですが、ただ機械を置けば良いというものではありません。
機械が正常に作動させること、安全に扱えるようにすることなども必要になるため、付帯工事を行うのが基本です。
ここでは、プラント工事に必要な付帯工事を3つ紹介します。
プラント内に設置する機械は、さまざまな種類を組み合わせているものもあるため、複雑な配置になっていることがあります。
そのため、設置の際には必ず足場工事を行います。
高い場所でも作業員が効率良く、また安全に作業できるよう、建物の周りはもちろん内部も足場で取り囲むのが鉄則です。
プラント内の足場は、単管と金具のクランプを組み合わせた単管足場施工が一般的です。
配管工事も、足場工事と同じくプラント工事に必須の付帯工事です。
プラント内の配管には、水や汚水、ガス、空気などさまざまな物質が通ります。
そのため、通る流体に適した管材や部品、サイズなどを取り付ける専門知識が必要なので、専門家である配管工が工事を担当します。
製缶工事は、プラント内で使う配管やタンク、ダクトの製造や溶接を行う工事です。
機械に合わせて鉄板や形鋼、ステンレスなどいろいろな素材を穴あけしたり溶断したり、折り曲げたりしながら、さらに溶接から仕上げ加工までを行います。
製缶工事をすることで、機械ごとに適したベースやフレームが作られるのです。
プラント工事は専門的な技術や知識が必要ですが、作業員になるために必須の資格というものはありません。
多くの場合、プラント関連の企業に就職し、新人としてゼロから技術を教わったり、知識を身に付けたりしながら一人前になっていきます。
しかし、特殊な工事なので、キャリアアップのためには必要な資格があります。
業種によって必要な資格は異なりますが、キャリアアップや転職に有利になるのは以下に挙げる資格です。
これらの他にも、業種ごとに役立つ資格はたくさんあるので、より多くの資格を持っていれば幅広い業務を担当できます。
プラント工事は、普通の工場建設よりも大規模で、さまざまな企業・業種で作り上げていく工事となります。
そのため、決められた施工期間内にプラント工事を終わらせるには、業者選定の早さが求められることもあるでしょう。
しかし、適当な業者選びをしてしまうと、ちょっとしたミスでプラント工事自体が頓挫したり、納期に間に合わなくなったりする可能性もあります。
工事業者の選定はプラントの仕上がりに大きく関わってくるので、迅速かつ慎重に選ぶことをおすすめします。