戸建て住宅やマンション、商業施設やビル、工場などには、キッチンや浴室、トイレなどで使う水やガスを通す配管が設置されています。
設置されているのは当たり前なので、あまり意識したことはないかもしれませんが、いざ「配管の役割は」「どのような種類があるのか」と聞かれても、分からないという方も多いでしょう。
ここでは、配管の役割や種類、使用用途などを紹介します。
目次
配管の役割とは、液体や気体、粉体などの流体を必要な場所に送ったり、排出したりすることです。
ガス配管であれば、給湯器やガスコンロにガスを送る、水道管であれば、キッチンや洗面所、浴室などに水を送り、排水口から排出される汚水を下水道まで流します。
配管があることで、生活インフラがしっかり整備され、快適な日常生活を送ることができるのです。
配管は、シチュエーションによって、配管材料と配管工事という2つの意味で使われます。
では、それぞれにどのような意味があるのかを解説していきましょう。
配管材料は、パイプのことを指します。
主に、液体や気体などの流体を他の場所に移すために使われますが、運んでいる流体を保護するという役割も持っています。
素材はパイプによって異なりますが、樹脂やコンクリートなどの非金属と、鋳鉄やスチールなどの金属、非金属と金属を混合したライニング鋼が主な素材です。
配管工事は、供給するものによって種類が分けられていますが、主に4つの配管工事があります。
配管工事の種類 | 工事の内容 |
ガス配管工事 | 都市ガスなど、ガスを供給するためのパイプを設置するのがガス配管工事です。
配管の設置にミスがあると、ガス漏れが起こり爆発する危険性があるため、この工事はハイレベルな技術が必要です。 |
空調配管工事 | 主に、商業施設やビルの空調システム設置のために行われるのが空調配管工事です。
壁や天井、床下などに空調管理のためのパイプを配置しますが、給気だけでなく排気も行えるようダクト工事をするのが一般的です。 |
衛生配管工事 | 水道や下水のためのパイプを設置するのが衛生配管工事です。
飲料用水道水を引き込む水道工事、汚水を下水道本管に流す下水工事などが、この工事にあたります。 |
プラント配管工事 | さまざまな物質を送ったり、排出したりするためのパイプを敷設するのが、プラント配管工事です。
主に工場で採用される設備で、ガス配管工事と同じく高度な技術が必要です。 |
配管と一口に言っても、材質によってさまざまな種類があります。
【配管の種類】
配管用炭素鋼鋼管(SGP)白管 | 通称「白ガス」と呼ばれるこの配管は、炭素鋼鋼管に亜鉛メッキを施しているのが特徴です。 |
配管用炭素鋼鋼管(SGP)黒管 | 「黒ガス」と呼ばれるこの配管は、炭素鋼鋼管をそのまま使っており、鋼特有の黒さが特徴です。 |
水道用亜鉛めっき鋼管(SGPW) | 亜鉛メッキが厚めに施されている配管ですが、見た目は「白ガス管」と同じなので刻印で判別をしないと見分けが付きません。 |
水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-VA・VB・VD) | SGP管の内側に塩化ビニルライニングを施した配管で、腐食に強いのが特徴です。
外側の加工法によってVAN・VB・VDという、3つの種類があります。 |
水道用耐熱硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-HVA) | 内側には耐熱硬質塩化ビニルライニング、外側には一次防錆塗装が施されている配管で、許容温度が高いという特徴があります。 |
圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG) | 高い圧力に耐えられるように、管が肉厚になっているのが特徴の配管です。
厚みはスケジュールナンバーで分けられており、最も使用されるのがスケジュールナンバー40であるため、通称「スケよん」と呼ばれています。 |
排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管(DVLP) | 内側に塩化ビニルライニング、外側に一次防錆塗装が施されている配管で、主に排水用に使われます。 |
この他にも、配管にはさまざまな材質が使われており、用途に合わせて使い分けられています。
ここでは、配管の種類ごとの使用用途を紹介します。
配管の種類 | 使用用途 |
配管用炭素鋼鋼管(SGP)白管 | ・通気配管
・冷温水配管 ・スプリンクラー配管 ・厨房排水配管 ・空調ドレン配管 ・エアー配管 |
配管用炭素鋼鋼管(SGP)黒管 | ・高温水配管
・蒸気配管 |
水道用亜鉛めっき鋼管(SGPW) | ・水道用配管など |
水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-VA・VB・VD) | |
水道用耐熱硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-HVA) | |
圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG) | ・連結送水管
・屋内消火栓配管など |
排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管(DVLP) | ・排水管 |
配管は、工事ごとに使用する材質や工事内容も異なるため、施工を担当する職人の技術や知識、実績がとても重要になります。
ただ配管を繋げれば良いというだけでなく、気体の漏れがないように、液体がスムーズに流れるように、適切な工事を行わなければなりません。
工事は資格がなくても行えますが、配管はインフラを守るという重要な役割を担っています。
当社には専任の職人がいるので、配管工の仕事はぜひ当社にご依頼ください。