「ガス切断って何?」「ガス切断はDIYでもできるの?」などの疑問をお持ちの方も少なくないと思います。
ガス切断とは、可燃ガスと酸素を使用して金属を切断することで、作業を行うためには資格が必要です。
このコラムでは、ガス切断の方法や特徴を詳しく探って解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。
目次
ガス切断というのは、可燃ガスと酸素を使用し発生させた熱で金属を切断することで、「酸素切断」ともいわれています。
ガス切断では、900度にもおよぶ熱を使用するため、危険を伴います。
ガス切断には、主にアセチレンというガスが使用されますが、他にも「プロパンガス」「天然ガス」「水素」などが使用されるケースもあります。
ガス切断では、酸化・燃焼という化学反応が利用されており、100年以上の歴史がある切断方法です。
現在の2022年から100年前は日本ではまだ大正時代で、このときからガス切断はすでに行われていて、鉄が酸化するときに熱を発生する原理がすでに活用されていました。
ガス切断では、対象の金属の切断部分をあらかじめ900度程度の高温に熱しておく必要がありますが、それ以外の部材の構造全体にはほとんど影響を与えず、ピンポイントに切断することができます。
ガス切断では可燃ガスと酸素により、数ミリ単位の薄板から数百ミリもの分厚い鋼材をピンポイントに切断できたり、あらかじめ母体を温めておいたりしなければいけませんが、その他にもいろいろなメリットやデメリットがあります。
以下に、ガス切断のその他の主な特徴を紹介します。
金属を溶かし切断することを「溶接」と呼び、ガス切断以外にも、アーク切断、レーザーカッティング、プラズマ切断など、溶接にいろいろな方法があります。
数ある切断方法の中でも、ガス切断では使用する機材が極端に少ないことが特徴の一つとして挙げられます。
ガス切断に必要な機材は、「酸素ボンベとアセチレンボンベ」「トーチ(手持ち式のバーナー)」「圧力調整器」「ホース」です。
この4つを揃えれば、ガス切断を行うことができます。
ガス切断と他の切断方法との大きな違いは、電気を必要としない点です。
電気が必要ないことから、作業を行う場所にも制限がなく、比較的規模の小さい設備で行うことができます。
ガス切断は、専門の職人が手作業で行います。
作業には危険を伴い、慎重に作業を行わなければいけないこともあって、作業を行う人によって仕上がりの精度が大きく変わります。
ガス切断では直線だけではなく、曲線なども切断することが可能です。
曲線などをきれいな仕上がりにするためには、熟練の技が必要になります。
ガス切断は、他の方法に比べて切断速度が遅いことも特徴の一つです。
切断作業中には火花が出ますが、閃光が飛ばない点も他の溶接法とは異なります。
以下に、ガス切断の手順を紹介します。
まずは、ガス切断に必要な「酸素ボンベとアセチレンボンベ」「トーチ(手持ち式のバーナー)」「圧力調整器」「ホース」の4点を用意しセッティングします。
ガスボンベとアセチレンボンベに圧力調整器を取り付け、ホースとトーチをつなぎます。
機材の準備作業中は、危険物を取り扱いしていることを十分に認識して、ガス漏れがないことに注意を払ってください。
作業を行うときには、保護マスク、革手袋、安全靴、前掛けなどを必ず装備してください。
トーチの燃料ガスバルブを回し、ガスを出します。
点火するときには、専用の着火剤を使用してください。
点火したら、火の調整を行います。
トーチの噴出口から出ている青い火を、1センチくらいにするのが目安です。
火を調整したら、母材である金属に火を当てて温めます。
切断箇所が赤くなってきたら、火を当てた状態で切断酸素バルブを開き、切断する形状に合わせて火口を移動させます。
日曜大工やDIYを趣味にしていて、腕に自信がついてきたから新しいことにチャレンジしようとガス切断を試みようとしている方もいるかもしれません。
しかし、ガス切断をするには資格が必要で、素人が簡単に手を出せる作業ではありません。
ガス切断では危険物を扱うため、機材の取り扱い方法を間違うと大きな事故やケガにつながってしまいます。
それを回避するには、作業に関する正しい知識と技術を身に付けなくてはいけません。
ガス切断に必要な資格は「ガス溶接技能者」で、ガス切断を行う作業者を管理・指揮するには「ガス溶接作業主任者」の資格が必要です。
資格を取得するための基礎知識がなくても問題ありませんが、講習を受けた後に試験を受けて合格しなくてはいけません。